古くて新しい!?環境対策はリサイクルからアップサイクルへ。

アップサイクル/Labarba

アップサイクルという新しい価値観

リユース・リデュース・リサイクルの3R。
地球環境を守るための活動として、今ではしっかり日本に根づいています。しかし、今、そんな3Rの新しい形としてアップサイクルという考え方があるのを知っていますか?

それは、ただ地球環境を守るだけではなく、同時に、より日常のファッションを豊かにする、アップグレードな感覚を持った考え方。より積極的に、前向きに、そして楽しく。環境問題に取り組んでいく、新しいスタイルと言えるもの、それがアップサイクルです。

アップサイクルとは?

アップサイクルとは、大きくまとめてリユースの一種。
さらにその中でもリメイクに近い考え方で、もっているものに新しい価値を加えるカタチで再び使い始めるという意味だと捉えて間違いありません。

つまり、リサイクルのように原料に戻すのではなく、またリユースのようにそのまま使い回すわけでもない。一手間を加えてアップグレードして再び使う。それがアップサイクルです。

アップサイクルとダウンサイクル

アップサイクルはアップグレードした再利用。
と言っても、アップサイクルについていまいち感覚がつかめない人もいますよね。そこで、アップサイクルの対義語であるダウンサイクルと比較して考えると、その意味もよりはっきり掴むことができるかもしれません。

例えば、タオル。

使い古したタオルを雑巾に変えてリユースする。これがダウンサイクル。これに対して、タオルを加工して新しくおしゃれなラグに作り変える。これがアップサイクル。こう考えると、なんとなく感覚がつかめるのではないでしょうか?

古くて新しい?日本人とアップサイクル

アップサイクルという新しい考え方、実は、むかしの日本には普通にあった考え方です。例えば、古くなった着物。むかしの日本ではこれを黒染めして紋付きに染め直したり、子供用に仕立て直したり、様々な形であたらしい付加価値をつけて再利用してきました。

江戸時代の粋な人たちは端切れを合わせて着物を仕立てたり、女物の着物を男物に仕立て直したり……。端切れでできた着物や女物の仕立て直しは、柄が派手でよく目立つことから、江戸時代の若者の間では人気のオシャレなファッションだったといいます。まさに付加価値のついたアップサイクルそのものです。

環境問題は切実、でも行動に移すのは容易ではない。ではどうする?

上のビジュアルはパタゴニアが2011年11月、ニューヨーク・タイムス紙に出した広告です。消費者主義のビジネスに一石を投じたこの広告は、賛否両論を巻き起こしました。この日はブラックフライデーで、どこの小売店も販売を促すCMに躍起になる中、「本当に必要なのか考えてから」と、消費を抑えることを促した広告です。

地球環境の悪化は深刻で、今後、真面目にしっかり取り組むべき問題であるのは確かです。しかし、いくら環境問題が切実な問題であったとしても、そのために忍耐ばかりをしていたのではむしろその活動はストレスにしかなりません。

そう、つまり『地球環境のためにボロを着る』というのでは続かないんですね。だからこそ、環境問題に明るく楽しく、そしてより生活の質を向上させるために取り組んでいく。

それはつまり、環境問題に取り組むこと自体が楽しく、そして、それ以前の生活に比べてより豊かに、そして明るい生活にしていくこと。

それは持続可能な環境問題への取り組みにおいてそれはとても大事なことで、SDDsの目標があるように、多くの企業が取り組まなければならない約束事でもあります。

アップサイクルは楽しめる環境問題への取り組み(事例)

環境問題への取り組みも、より楽しく、そして前向きでありたい。そんな中で、アップサイクルという考え方は、まさにそういった持続可能で参加することに抵抗の少ない環境問題への取り組みのひとつ。

今持っている古びた洋服が、アップサイクルでより今風におしゃれになって生まれ変わる。愛着のあったお気に入りの洋服を、モデルチェンジしていつまでも愛用し続けることができる。

そんな、自らの価値観と感情に直結するアップグレード。それがアップサイクルの一番の目的と言えるかもしれません。

ファションは楽しくあるべきだ。

わたしたちは、ファッション業界に携わるうえで大切にしていることがあります。それはもちろん、デザインの良さやクオリティの高さというものも当然ですが、同時にファッションとは楽しくあるべきだ、という考え方です。

ファッションは人々の生活を楽しく、そしてより明るくしていくためのもの。そうつまりQOL=クオリティー・オブ・ライフを高めるものとして存在していると考えています。

そしてアップサイクルというのはそんな考え方にピッタリとマッチする考え方。地球環境にしっかりと配慮しながらも、きちんと人生を楽しくしていくことにプラスになる。そんなアップサイクルという考え方を、これまでも、そしてこれからも大切にしていきたいと考えています。

アップサイクルに取り組んでいる企業やブランド

生活を豊かにしながら環境に配慮できる取り組み、アップサイクル。そんなアップサイクルにすでに取り組んでいる企業やブランドも多くなりつつあります。

【リデザインクローゼット】 https://bit.ly/3fBtRtQ

お気に入りの洋服をもう一度今風に新しくリメイクすることで、アップサイクルに貢献しています。もう一度買ったときの楽しさを蘇らせてくれるだけではなく、さらに上の楽しさを提供してくれる、そんな取り組みをサービスとしている会社です。

おわりに

アップサイクルは地球環境問題に対する一つの対策です。しかし、同時に、自分の生活をより豊かに、楽しく、そしてより上質にしていくひとつの生活スタイルであるとも言えます。今あるものを、より良くするためのステップ。それはある意味、進化というべきものかもしれませんね。

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